オリーブの種類-オリーブの品種概説-オリーブの木の種類

1章. オリーブの木の種類、オリーブの品種一覧 Japan Olive Variety

オリーブってどんな種類の木があるの?そう思って調べてみたら、結構本格的にやっちゃいまして、まとめるのに数か月数年かかりたいへんでした。内容が多すぎてページが編集できなくなったので分割しました。時々内容を追加しています。

(お役に立てていますでしょうか?)

転載コピペは禁止です。部分引用の場合はURLとサイト名とページタイトルを明記して目立つようにこのページにリンクを貼ってください。

はじめに オリーブの種類(品種)一覧の閲覧のご案内

オリーブに関する情報があまりに膨大なため、栽培日記とは別に新しいページを作ってこちらにまとめたいと思います。間違ってるかもしれないので参考にされるときは必ず原文を参照してください。量が多すぎて混乱してきましたのでミスってる可能性大です。情報は外国語の情報の引用なので内容は保証していません。内容に誤りがあってもいいよという趣味の人の暇つぶし用に書きました。オリーブの品種のことについて本格的に知りたい人は洋書に大体のことは載っていると思うので書籍を参考にしてください。私は素人なので質問はこちらではなく原作者におねがいします。素人なので初期に編集した部分に注釈を付けるの忘れてまして、どこから引用したか思い出せないものもあってすみません(でもリファレンスリストには入ってます)。これらの品種はどの国にとっても最高のオリーブなので名前や情報だけで優劣を決めることはまったくの無意味です。日本円で8千円とやたら値段が高い本ですが、『Producing Table Olives』にも少し品種のことがのっているようです。ちなみにこの本、http://ja.scribd.com/doc/46731972/Producing-Table-Olivesでほとんど無料で読め、月額$8.99で広告非表示でダウンロードして読めるそうです。
REPORT ON TABLE OLIVES CULTIVATION AND INDUSTRY (無料)このpdfファイルは無料で本一冊分の内容はあるように思います。

※この記事は2014年秋にまとめたもので、2016年11月現在、加筆修正は停止しています。 最終更新2016年8月7日にカロレアという品種の苗木を入手しましたので追加しました。
※2015年3月、ベランダという品種を追加しました。

0. 推薦図書

いくつか洋書を紹介いたします(読んだことないです)。
オーガニックオリーブ生産マニュアル(Organic Olive Production Manual, 2007)・・・University of CaliforniaのPawl Vossen(当ページでもたびたび引用しているおじさん)の本。米アマゾンで販売。
オリーブ生産マニュアル(Olive Production Manual,2004)・・・カリフォルニア州の農業に基づくマニュアル。オリーブ生産のイロハ本。
Olives: The Life and Lore of a Noble Fruit(1996)・・・Mort Rosenblum(ジャーナリスト)著。
Extra Virginity: The Sublime and Scandalous World of Olive Oil Apr 8, 2013・・・エキストラバージンオイルの崇高と醜聞。
 Olive, the Other Reindeer (English Edition)・・・オリーブ(わんこ)とトナカイ。絵本。安価で評判もよく、表紙がかわいい。電子書籍版あり。(オリーブ栽培とは関係ないです。

1.オリーブの主な品種についての情報

オリーブの品種についての概要

オリーブの食用としての利用目的は主にオイルとテーブルオリーブにわかれます。
本章では主にオーストラリアと日本で栽培されている品種の情報を収集し特徴を記することにしました。

テーブルオリーブ向き品種の例

マンザニロ(中-大)、アスコラーナ(アスコラーノ、特大)、ノチェッラーラデルベリーチェ(ノチェラーラ、大)、ハーディーズマンモス(特大)、ピコリーヌ(ピッチョリーネ、中)、バロウニ(特大)、アザパ(特大)、ラキーノ(特大)、セビラーノ(特大)、UC13A6(特大)Santa Caterina(特大)、TreesNocellara del Belice(特大)、ピクアル(オレゴン州で栽培した場合は特大になる)、カロレア(大)

粒が大きいと採油率が低くなるので搾油には使われない。マンザニロはテーブルオリーブの定番品種である。果肉の大きな品種がテーブル品種となる傾向にある。果肉が多いため必然的にオイルの含有率が低くなるが1粒あたりのオイル含有量が低いわけではない(と思います。

オリーブオイル、テーブルオリーブ兼用品種例

タジャスカ、カラマタ(ギリシャでTsakistesと並ぶ伝統的なテーブル品種)、ミッション(日本での定番品種)、マンザニロ(日本での定番品種)、フラントイオ、ロシオーラ、バルネア、ヨーロピアーナ、カロレア

可食部が多い品種が兼用とされる傾向にある。小粒であってもアーベキーナはテーブルオリーブとして販売されている。日本でオイル用とされる品種でも世界ではテーブルオリーブに加工されているので兼用がどれかは一概にいえない(と思います。

オリーブオイル用例

ネヴァディロブランコ、ルッカ、コレッジョラ、モライオロ、ペンドリノ、コロネイキ、パラゴン、アメリカン、アクッツォ

オイル含有量が高く、果実の小さな品種がオイル用とされる傾向にある。

オリーブオイルの安定度

(ポリフェノール量とも関係ある):ピクアル>コルニカブラ>>Picholine Marocaine>マンザニロ(高)>コロネイキ(中の上)>フラントイオ=ネバディロブランコ(中)>レッチーノほぼイコールオヒブランカ(低)。他の文献ではミッション、ピクアル、マンザニロ、ピコリーヌ、モライオロ、マウリーノ、コロネイキ、コラティーナのポリフェノール含有率が多いと書かれている。低ポリフェノール群は、テーブルオリーブの品種が含まれている。

オイルの評価項目のひとつであるStabilityとは、安定性という意味で、オリーブにおける安定度とは、品質の安定度、酸化のしにくさのことを意味するようです。安定度の高さは抗酸化成分の多さによって表されるようです。(※10)

2. 主なオリーブの品種一覧と受粉相性などの特徴

日本国内で流通しているオリーブの品種についての文献研究の結果です。数年かけてがんばって調べました。

アーベキーナ(Arbequina)

熟れた果物の芳香(Aromatic ripe fruitiness)、弱い(low)苦味(bitterness)、辛味(pungency)そして安定性(stability)。耐寒性高。果実サイズ小(1~2グラム)。オイル20~22%。自家受粉性部分的にあり。 もともとパレスチナ原産で、17世紀にメディナセリ侯爵によってヨーロッパにもたらされた。スペインが産地。挿し木の発根率高く、種は高い発芽率でカリフォルニアでは78%の台木として用いられる。種子小さい。果肉と種子比4.6:1。油は高品質だが樹勢弱~中で樹木が小さい特性を密植の台木として利用される。30%緑70%の黒になったらオイル用を収穫する。スペイン原産。虫害の影響を受けやすい。ブラウン(レンガ色くらい)になったものをテーブルオリーブに加工する。

Aglandau

高い果実香と苦味と辛味と安定性。

アザパ(Azapa)

果実サイズ特大(4~12グラム)。チリ原産でチリの主要テーブル品種。部分的に自己結実する。果肉と種子比11:1

アスコラーナ(Ascolano) アスコラーノ

大きなテーブルオリーブの品種。マンザニロとミッションと相性。耐寒性あり。生産性はConstant Good。

アスコラーナテネラ(Ascolana Tenera)

Fruity5/6段階評価 Fluidity5 Pugent3 Bitterness3 Grass2.5 Almond1.5 Artichoke1.5 Tomato1 ミィディアムフルーティー。よい草の感じがして少しアーモンドとアーティチョークとトマトの感じがする。苦味とスパイシーさはマイルドでバランスのとれた味。果実サイズ大(8~10グラム)果肉と種子比6~8:1。オイル15~16%。ピーコック・スポット(シクロコニウム)に弱い。若木のうちは安定して実るが年を取るにつれて隔年結果になる。

アメリカン(American)

カリフォルニア産。兼用。

アメレンケ(Amellenque)

小豆島保有品種

アルボサナ(Arbosana)

スペイン原産。オイル用。隔年結果だが生産性高く密植に使われる。オイル19-20%。エキストラバージンオイルの風味は高く評価されアーベキーナより苦味と辛みを求める消費者に好まれる。緑果をテーブルに用い、ダークブラウン、ブラックオリーブをオイルに用いる。果実サイズは小~中。花粉はマンザニロ、アーベキーナ、コロネイキ、ペンドリノ、マウリーノ、レッチーノなど。コンパクト。Youtube動画(英語)

アレクッツォ(Arecuzzo, アレクーゾ)

耐寒性弱。豊産性。オイル向き。果実サイズ小~中(2~3グラム)原産地不明だがトルコ原産として販売される。綴りはArecuzzo。

イトラーナ(Itrana)

Fruity5 Fluiidity4.5 Pungent3 Bitterness3 Grass3 Almond1.5 Artichoke2 Tomato2.5フルーティーはミィディアムハイ、わずかに草とトマト、アーモンドとアーティチョークの感覚を伴う。ミィディアムハイの苦味とスパイシーさ。果実は3~5グラムでテーブル兼用。結実はConstantGood。

ウエストオーストラリアミッション(WA Mission)

オーストラリアで栽培。アメリカのW.A.ミッション、MissionWAとも。MexicoMissionとUSAMissionとは別品種。*28

ウォリス

大きなテーブル品種。Wallaceのことか。それともWallisなのか不明。

エルグレコ(El Greco)

生垣に適する。黒い果実のオイルも高品質。あまり知られていないが主に色が変わりがかったグリーンオリーブがテーブルに使われる。部分的に自己受粉する。(私が植木屋さんで見た限りでは小粒だけどピクアルよりもっともたくさんの実を付けた状態で販売されていた)

エンペルトレ(Empeltre)

2015年冬。土っ子倶楽部での販売を確認しました。スペインの品種。オイルテーブル兼用。スペインのアラゴンやバレアス諸島で生産されるほか、アルゼンチンでも栽培される。機械収穫が簡単で振動を与えると容易に実が外れる。マイルドでフルーティーなオイルを生産する。育成に時間はかかるが成木になってからの生産性はよく、霜に敏感。

ヨーロピアーナ(Eauropeana)

イギリスやAmazon.comで販売される。営利栽培に用いられてないところをみると、園芸用か。

オークラン(Arklan)

ニュージーランドの品種。兼用。

オブリッツァ(Oblizza)

兼用。オブリザのことか?

オヒブランカ(Hojiblanka)

フルーティーでアロマティック、やさしい辛味、弱い苦味と安定性。果実サイズ中~大(2~4グラム)。耐寒性高。部分的に自家受粉性あり。アーベキーナ、マンザニロとピクアルと相性とされるがマンザニロと遺伝的類似性がややある。オイルは17~19%。スペイン原産。果肉と種子の比5~6:1。黒い果実をスパニッシュスタイル(後述)で漬けられる。あるいはナチュラルな黒漬け、またはカラマタスタイル(後述)を用いる。OH-HEE-BLON-KA*44。少し苦みがある。

オブリザ(Obliza)

果実サイズ中(5グラム)収量中。ユーゴスラビア原産。緑・黒漬け。

Oblonga

小豆島保有品種。アメリカから輸入。オイル用。原産地不明。

OHMS-1

小豆島保有品種。

オリンピア(Olympia)

オイルに用いられる。ギリシャ種。ギリシャ語ではオリンピーアという発音に近い。

Caillet Blane

小豆島保有品種。オイル用。フランス。フランス語ではカーイエブランニという発音に近い。

ガエタ(Gaeta)

テーブルオリーブとして日本で加工品が流通している。ドライ方式が有名。小豆島保有品種。オイル用。フランス。フランス語ではガェイタという発音に近い。

カラマタ(Kalamata)

果実中~大(3~5グラム。オイル兼用。コラティーナ、フラントイオ、コロネイキと相性。ギリシャ産。密植に適する。部分的に自己受粉する。オイル目安は40%緑60%黒 。カラマタスタイル(後述)で漬けられる。寒さに耐えるが暑さと風に弱い。果肉と種子比率8:1。ギリシャのテーブルオリーブの王。紫色に熟したものを赤ワインビネガーまたは赤ワイン、あるいはオリーブオイルで保存される。

日本ではカラモタと書かれていることも多いが・・・どうすればそう読めるのか不思議である。
オリーブのカラマタの実
筆者育成のカラマタ

カロレア(Carolea)new!

小豆島保有品種。兼用。イタリア産。ブーリア州の主力品種でテーブルオリーブ兼用。オイルは甘味がある。果実サイズは大(2016年筆者所有の物は先が尖っているが・・・海外サイトのカロレアは先端が丸い)。耐寒性があるといわれる。果実は卵型で4-8gで熟期はかなり遅く10月から収穫可能。オイル含有量は20-25%で顕著な品質。ノチェラーラとMessineseが受粉樹。2016.8にリストに追加。

オリーブのカロレアの実
筆者育成のオリーブカロレアの実
カロレアの果実は大きくて目立つためカメムシの害に遭いました。

Gigante di Cerignola

小豆島保有品種。テーブル用。アメリカ。

Chemlali

強い果実の芳香、顕著な(注目に値する)変種の特性。チュニジア産。果実小粒でオイル用。健康的で低木な木。*26  小豆島保有品種。

Cucco

風味豊か。果実中~大サイズ。早生~中生。テーブル用。フラントイオ、レッチーノ、コラティーナと受粉相性。隔年結果あり。果肉と種子比4:1。寒さに強く風に弱い。

クライスト(Christ)

ニュージーランドの品種。兼用。詳細は不明(調査中)

Glappolo

小豆島保有品種。オイル用。アメリカ。

コラティーナ(Coratina)

強い緑の草の風味と苦味と辛味と安定性(他の文献での評価(Bitter際立つFruity, Fluidity, Pungent, Almond)と内容が一致している)。果実サイズ中(2~3.5グラム)という記述と大(5~6g)という記述がある。オイル21~23%。フラントイオ、レッチーノ、ペンドリノ、モライオロと相性。生産性はConstant Good 耐寒性高。寄生虫耐性あり。プーリア原産。イタリアで一番栽培されている品種。ポリフェノール非常に高い。兼用だが通常はグリーンオリーブを漬ける。部分的に自己受粉する。樹勢は中。

コルニカブラ(Cornicabra)

とてもフルーティーでアロマティック、ミディアムな苦味と辛味と安定性。ポリフェノール非常に高い。果実サイズ中。自家受粉性あるという記述とないという記述の両方がある。耐寒性高。耐病性あり。果肉と種子比5:1。スペイン。

コレッジョラ(Collegiola)

果実サイズ小~中(2~3グラム)。豊産性。ミッションとカラマタが花粉ドナー*29。レッチーノ、コラティーナ、ペンドリノと受粉相性。トスカーナ原産。CollegiolaのDNAはフラントイオと一致するものや97%一致のものが示される。*27*28。樹勢強*37。

コロネイキ(Koroneiki)

強くフルーティーで草風味、とても安定、マイルドな苦味と辛味 ポリフェノール非常に高い。果実サイズとても小(1~2グラム)。耐寒性弱。Mastoidesと相性。風に強い。海風にも耐える。寒さに弱い。ギリシャクレタ島原産。コンテナ栽培に最適。オイル目安は40%緑60%の黒 。オレイン酸豊富。自家受粉あり。結果性はAlternate Good フラントイオと遺伝的類似性が高い*28。樹勢強*37

サウスオーストラリアンヴェルダル(South Australian Verdale)

果実サイズ大(7~10グラム)。果実大でもテーブル兼用。耐寒性あり。フランス付近原産。オーストラリアで栽培。

Saurin

小豆島保有品種。兼用。レバノン(パレスチナ)産。

Zarza

小豆島保有品種。オイル用。スペイン。

ジャンボカラマタ(Jumbo Kalamata)

果実サイズ特大(~12グラム)。カラマタとは関係ない。

J5

中粒。耐寒性弱い。自己結実性あるがすべての花粉を受け付ける。テーブル兼用。グリーンだけでなくブラックオリーブも漬けられる。ニュージーランド。

セヴィラーノ(Sevillana, Spanish Queen, ゴルダル)

果実サイズ特大(9~11グラム)。アスコラーナとマンザニロとアーベキーナ、ミッションと相性。スペイン原産。ゴルダルは世界のテーブルオリーブ(ジャンボサイズ)のほとんどを生産しているといわれる。非常に耐寒性あるがあまり寒さに強くない。緑の果実をシチリアンスタイル(後述)またはスパニッシュスタイル、セヴィラーノスタイル(後述)で漬ける。果肉と種子比7.3:1。結果性はAlternate Medium。種離れがよいといわれる。

セントキャサリン(St Catherine)

果実小(2g)、オイル向き。隔年結果あり。ステレオタイプを連想させる名前のせいか、日本では観賞用としてよく売れているようだ。聖キャサリンはシエナのカタリナのこと。

Sorani

小豆島保有品種。オイル用。シリア産。

タイニーオイルカラマタ(Tiny Oil Kalamata)

DNAでアーベキーナと同一である可能性。カラマタとは無関係。オイル用。生産性高い。*37。日本ではティニーオイルカラマタとラベリングされている。

タジャスカ(Taggiasca)

マイルドなフルーティー、熟したフルーツ香にも例えられる。アーモンドと松の実のフレーバーを含む。弱い苦味と辛味と安定性。果実サイズ中(約3グラム)。オイル23~26%。小いにもかかわらずパンチの効いた味でテーブルオリーブとしてとてもおいしい。オイルに上品さを加えるために配合されることもある。ペンドリノと相性。自家受粉は部分的にあり。寒さと干ばつに弱い。生産性はConstant Good 熟すと深い赤になる。リグーリアLiguriaのオリーブともいわれる。ピット比4~5:1。フランスのニースやイタリアの北西部のリグーリア州で栽培される。タイムやローズマリーなどで風味づけされる。イタリア語ではタッジャースカに近い。

タラスコア(Tarascoa)

オイル用。中粒。ギリシャ産。

Tanche

小豆島保有品種。兼用。フランス。フランス語ではトォンシュという発音にちょっと近い。

チプレッシーノ(Cipressino)

防風林として利用される。果実2~3.5グラム。直立性。モライオロ、フラントイオ、マウリーノ、レッチーノによって受粉される。オイル用だがテーブルにも加工されることがある。

Chitoni

小豆島保有品種。オイル用。チュニジア産。

Tsunati

小豆島保有品種。オイル用。ギリシャ産。

デルモロッコ(Del Morocco)

果実サイズ小~中(3~4グラム)。寒さ弱い。豊産性。原産地不明。Morrocan Olive。

Nabali Mohassan

小豆島保有品種。兼用。NZから輸入。ヨルダン・レバノン産。

Nab Tamri

小豆島保有品種。アメリカから輸入。兼用。原産地不明。

Negral

小豆島保有品種。オイル用。スペイン。

ネバディロブランコ(Nevadillo Blanco)

果実サイズ中(2~4グラム)。オイル兼用。スペイン原産。一部地域では結実悪い。マンザニロとピクアルとアーベキーナと相性。搾油目安は30%緑70%黒。ピクアルと似ているとされるが遺伝的には別品種。

ノチェッラーラデルベリーチェ(Nocellara del Belice) ノチェラーラ

シチリアが産地でテーブルにも利用される。フルーティー、草、アーティチョーク、トマトの風味 熟すと深い赤になる。果実重(5~7g)。オイル20%。虫害に耐性。オイル兼用。深く湿った土を好む。緑の果実をカステルヴェトラーノスタイルで漬けられる。またはシチリアンスタイルで。ピット比6~7:1。イタリア語ではノッチェッラーラ。

バーデル(調査中)

花ひろばで販売。2016年に販売を確認。花ひろばは過去にこの品種をBARDILLまたはバーディル、ベイダー(Barder、バーダー、こっちが正式名称か)と記述。検索しても来歴は出てこないようだ。販売名と英字綴りがころころ変わる理由がわからない。

ハーディーズマンモス(Hardy's Mammoth)

果実サイズ特大。緑または黒漬け。原産地不明。オリジナルのハーディーズマンモスとオーストラリアのハーディーズマンモスは別品種*28。

ハルキディキ(Chalkidiki, Chalchidikis)

テーブルオリーブ用だが時々オイルに使われる。果実は高品質でロバのオリーブといわれる。ギリシャ種。グリーンオリーブを収穫してから2か月後にブラックオリーブが収穫される。テーブルオリーブとして優れている。緑の果実をテーブルオリーブに用いる。隔年結果あり。ピット比10:1。

バルネア(Barnea)

フルーティー、マイルドな苦味と辛味と安定性を伴う。果実サイズ中(3~6グラム)。オイル20~23%。自家受粉性は部分的。マンザニロ、ピコリーヌ、ピクアルと相性とされる。豊産性。イスラエル原産。ShimonLavee教授によって開発された。テーブル可。さなざまな病気に耐性がある。黒漬けにも適する。直立性で樹勢強い。寒さに弱い。イスラエル原産。果肉と種子比7:1。

バロウニ(Barouni)

果実サイズ大(~7グラム)自家受粉性あり。テーブル用。チュニジア原産。隔年結果。果肉と種子比8:1。

Biancolilla

小豆島保有品種。イタリア。オイル用。

ビーデルハマン(Bidh El Hamman)

小豆島保有品種。兼用(デュアル)。

Bosana

高い果実香、草風味、マイルドな辛味と苦味と安定性。
ピクード・・・熟れた果実の芳香がとてもする、ミディアムな辛味と安定性、マイルドな苦味 果実サイズ大。耐寒性高。オヒブランカとピクアルと相性。果肉と種子比6:3

ピクード(Picudo)

中粒、オイル向き、スペイン産。

ピクアル(Picual)

ナイスな果物の芳香、ミィディアムな苦味とても高い安定性を伴う。スペインで最も広く栽培され(50%)世界で20%栽培されている。マンザニロとアーベキーナとオヒブランカと相性。果実サイズ中(3~4グラム)から大。中生~晩生。日本で自家受粉性あるとされるが海外では不和合性として扱われる。ピクードと相性。結果性はConstant Good 豊産性 ポリフェノール非常に高い スペイン原産。バルネアの受粉樹。搾油目安は30%緑70%の黒。抗酸化度が高く条件がよければ2年はフレッシュな状態を保つといわれる。バクテリアに耐性あり。ときどきあるピクアル製品への評判の悪さは果実の取り扱いに起因しているといわれる。

オレゴン州のオリーブの写真を見る限りではピクアルの果実サイズは大きく特大といってもよいかもしれない。
※夏に園芸店で見たときには結実していなかったのでやはり自家不和合性であると思われ、大量に在庫があったチプレッシーノとは相性がまったくないと筆者は推測しました。

ピッチョリーネ(Picholine)

早期に収穫すると、とてもフルーティーでアロマティック、ミディアムなFruitinessと苦味と安定性。果実サイズ中(3.5~4.5グラム)。オイル18~20%。部分的に自家受粉性あり。マンザニロとバルネアとピクアルとレッチーノ、Aglandauと相性。耐寒性並。bestなテーブルオリーブ品種として知られる(wikipedia英語版)。生産性はConstant Good 豊産性 バルネアの受粉樹として用いられる。最高のカクテルオリーブとも。虫害に耐性あり。フランスのピコリーヌはフラントイオ、コロネイキと遺伝的類似性がある。*28日本のピコリーヌがどれに該当するかは不明。樹勢強*37。フランスニームのオリーブ。ニームスタイル、またはピコリーヌスタイルで漬けられる(後述)。ピット比5~6:1。ピッチョリーネと日本では書かれることもあるが、フランスの発音ではピコリーヌになるだろう。英語ではPEE-SHO-LEEN(ピーショリーン)らしい*44。

※カタカナ名が幼児向けの少女アニメのようであるので日本女性に人気のようだ。

Picholine Marocaine(モロッコで一般的な品種)

とてもフルーティーで芳香のある、マイルドなfruitinessと苦味と辛味。ミッションとは共通する遺伝子をもつ(外部リンク)。人気のグルメテーブルオリーブ。その人気ゆえにPichorineという品種は実に多様な遺伝子に分かれており、AustlariaとFranceのピコリーヌではまったくの別品種である。

ブラックイタリア

正確な来歴は不明。オーストラリアで栽培される。オーストラリアでは2種類のブラックイタリアがあり、それぞれDNAは異なる。日本ではどちらの品種が導入されているかは不明。

Blanqueta

小豆島保有品種。オイル用。スペイン。

フラントイオ(Frantoio, Paragon, パラゴン) 

とてもフルーティーでアロマティックで草風味、ミィディアムな苦味と安定性、強い辛味。レッチーノよりフルーティー。果実サイズ小-中。耐寒性弱。アメリカン、ペンドリノとコラティーナとレッチーノとモライオロとロシオーラ、マウリーノ、相性。自家受粉性あるが微量(相性のある花粉に比べたら数分の一)。結実が高く一定である。結果性はConstant Good トスカーナ原産。りんご、サワー、マジョラム、レタス、セロリとさまざまな香り。オイル目安は60%緑40%黒。イタリアではたくさんの別品種をフラントイオと呼び加工しているので注意したい。シュードモナスに弱い。パラゴンとは同一品種*28。樹勢強*37。果肉と種子の比率5:1。イタリア語ではフラントーイオ。

ベランダ

日本のホームセンターで売られていた品種。販売ウェブサイトにはイタリア原産といわれるが厳密な品種名はわからないと書かれていた。説明文には「若木のうちから花つきがよく、実がつきやすいので、ベランダ栽培でも実が付く、という意味でこの名が付いています。」とありました。(2015.3リスト追加)

ヴェルダル(Verdal, ベルダル)

世界には多くの○○ヴェルダルというオリーブ品種がある。オーストラリアのヴェルダルはワッガベルダル参照。ここではDBサイトにあるヴェルダルと解釈する。オイル用で耐寒性高く実成りはConstantGood。オリーブミバエとオリーヴモス(蛾)、シュードモナス菌、干ばつに弱い(DBより)。

ヘレナ(St. Helena)

フラントイオと酷似。ヘレナ島旧流刑地から収集。オーストラリアで栽培。本物のセントヘレナは絶滅。樹勢強*37。

ペンドリノ(Pendolino)

果実サイズ小(1.2グラム~2g)。オイル18~20g。収量中。どんな品種とでも受粉相性あり。結果性はConstant Good フィレンツェ原産。フラントイオ、マウリーノ、モライオロ、レッチーノ、ロシオーラなどの受粉樹用。搾油目安は10%緑90%の黒 。

ヴォロス(Volos, Conservolea, Konservolia)

大型の兼用品種。ギリシャスタイルのナチュラルな黒オリーブ漬けに用いられる。または水酸化ナトリウムを使ってグリーンオリーブを漬ける。ギリシャ原産。

ホワイト(White)

詳細は不明。日本でホワイトとして流通。

マウリーノ(Maurino)

ペンドリノとレッチーノ、フラントイオ、モライオロ相性。小粒(1.5g~2.5g)という見解と中粒(3~5g)という見解の2種類があるがおそらく小粒(という記述が多かった)。オイル含有量は14~20%。受粉樹用として広まった。イタリア中部。結果性はConstan Ggood

マンザニロ(Manzanillo)

フルーティー、アロマティックそして草風味、ミディアムな苦味と安定性、強い辛味。果実サイズ中~大(約3~5グラム)。セビラーノとアスコラーノとフラントイオ、ピクアル、アーベキーナと受粉相性。豊産性だが自家結実性弱い。早く熟す。テーブル向けで油の抽出が困難な場合あり。耐寒性弱。ポリフェノール非常に高い スペイン原産。搾油目安70%緑30%黒。結果性はAlternate Good。カラマタとDNAが類似しているともいわれる。*36 スペイン。スパニッシュスタイルのオリーブ漬けに用いられる。ピット比6~8:1。マンザニラとラベリングされていることもあるが、"a"はミススペルが広まった綴りともいわれる。カリフォルニア英語読みではMON-ZON-EE-YO(モンゾニーヨ?)らしい*44。

Michellenque

小豆島保有品種。オイル用。フランス。

ミッション(Mission)

アスコラーナ、セビラーノと相性。オイル22%。自家受粉性微量。果肉と種子の比率6.5:1。C.A.Missionか不明。W.A.Mission(ウエストオーストラリアミッション)とは遺伝的が一致しない。*28  Mexicoミッションと同一品種。C.A.Mission(Atticaと同一)とも遺伝子が一致しないものと一致するもの、さらにUSAヴェルダルと同一のC.A.Missionと同一の3種類がオーストラリアにある。隔年結果性はAlternate Medium。

モライオロ(Moraiolo)

非常に強くフルーティーで草風味で安定している。苦味と辛味はマイルド。(果実風味が突出しているかのようではあるけど、イタリアの文献では6段階の5くらいで突出ではなかった。環境で風味が変わるのかも)。果実サイズ小(1.5g~2g)。ペンドリノとマウリーノ、フラントイオとアメリカーノと相性。ポリフェノール非常に高い。塩風と干ばつに弱い。油含有率は17~20%。結果はAlternate Good。イタリア語ではモライオーロに近い発音。

モルー(Morrut)

スペインのバイシャエブレでのみ栽培される希少品種(リンク)。

UC6A7

ルーツはエジプトのTafahiの実生です。木はとても大きくて、しだれ癖があって、たくさん収穫できます。果実は6gで縦長。隔年結果は年を取るにつれて見られた。オーストラリアではUC13A6のほうが多く栽培されているようだ。

UC13A6

テーブルオリーブに用いられる。主要産地はオーストラリア。カリフォルニア大学で開発された。Tafahi(Carifornian Queen)の実生。グリーンオリーブまたはブラックのドライオリーブに使われる。生産性はAltenate Midium。果実9-11g。6A7より収量多い。

ラキーノ(LaQuino)

ニュージーランドのハイブリッド種。中粒。沿岸に最適で耐寒性あり。

Liani

小豆島保有品種。オイル用。ギリシャ。

Lucque

小豆島保有品種。オイル用。アメリカ。

ルッカ(Lucca)

ペンドリノと相性。自家受粉性部分的にあり。オイル28%。結果性はConstant Good。園芸店で夏に目撃した時には結実してなかったのでチプレッシーノ♂とは受粉相性がないのではないかと推測。

Leccio del Corno

小豆島保有品種。オイル用。イタリア。イタリア語での発音はレッチオデルコールノに近い。

レクーレ(Lecqure)

トルコの品種。果実サイズ中。テーブルに向く。樹勢強*37。トルコ語ではレッチクーレという発音に近いと思われる。

Lechin de Sevilla

とてもフルーティー、マイルドな苦味と辛味と安定性

レッチーノ(Leccino)

果実小~中(2~2.5グラム)。マイルドな果実味と安定性、弱い苦味と辛味。フラントイオとペンドリノ、マウリーノと相性。耐寒性非常に高。風害と病害虫に強い。結果性はConstant Good 豊産性 自家不和合性。オイル目安は黒100%。ブラックオリーブがテーブルに用いられる。ピット比4~5:1。カリフォルニア語ではLAY-CHEE-NO*44。

Redding Picholine

小豆島保有品種。兼用。アメリカ原産。

Redounan

小豆島保有品種。オイル用。フランス。

ロシオーラ(Luciora)

非常に小粒。オイルはフルーティーで少し甘い。生産性高い。イタリア中部原産。レッチーノとマンザニロとカリーノとRajoとOlivastoneによって媒介される。有効受粉はペンドリノとフラントイオ。イタリア語ではルチオーラという発音に近い。

ワシントン(Washington)

アメリカの品種。W.A.Mission(ウエストオーストラリアミッション)のことではないらしい。ワシントンで探しても見当たらない。

ワッガヴェルダル(Verdal wagga)

一般的なのヴェルダルより小さい果実。地中海原産でオーストラリアでヴェルダルとして栽培される。オーストラリアヴェルダルはオイル含有量が少ない。搾油目安80%緑20%黒。自家和合性あり。

ワラサ(Wallace)

テーブル向き。イタリア産。私としてはウォレスや3歩譲ってワレスという読みのほうが原音に近くしっくりくる。流通名はなぜかワラサ。イタリア語ではウォッラッスという発音である可能性。

I-77(ワンセブンセブン)

果実サイズ大(5グラム)。産地イタリア。半矮性。フラントイオ由来。177、1-77とも。

他、イタリア品種で特徴のある品種

Ascolana dura,  Geracese, Giarfara, Intosso, Piantone di Mogliano, Vocio(調べた際に風味の特徴が平均より強くでていると思いました

※Altanative Good(交互に良い), Altanative Midium(交互に中), Constant Good(安定してよい)は訳を間違えるといけないのでそのまま記した。基本的にオリーブの木はAltanative bearing(またはbiennial bearing隔年結果)であるので隔年と書いてあるからといって避けることは無意味である。栽培技術によって隔年結果を最小限に抑える方法もある。
隔年結果がどれくらい違うことになるかはオーストラリアのオリーブのウェブサイトが参考になる。

その他世界のオリーブ品種例

・ポルトガルの品種・・・Carrasquenha Cobrançosa Cordovil de Castelo  Branco Cordovil de Serpa Galega  Vulgar Maçanilha  Algarvia Redondal
・アルジェリアの品種・・・Azeradj Blanquette de Guelma Chemlal de Kabylie Limli Sigoise
・アルバニアの品種・・・Kalinjot
・アルゼンチンの品種・・・Arauco
・クロアチアの品種・・・Lastovka Levantinka Oblica
・キプロスの品種・・・Ladoelia
・エジプトの品種・・・Aggezi  Shami Hamed Toffahi
・フランスの品種・・・Aglandau Bouteillan Grossane Lucques Picholine Languedoc Salonenque Tanche
・ギリシャの品種・・・Adramitini Amigdalolia Chalkidiki Kalamon Konservolia Mastoidis
・モロッコの品種・・・Haouzia Menara Meslala Picholine marocaine
・パレスチナの品種・・・Nabali Baladi
・ヨルダンの品種・・・Rasi'i
・レバノンの品種・・・Soury
・シリアの品種・・・Sourani(オイル用)
・チュニジアの品種・・・Nabali Mouhasan(受粉樹はバルネアとピコリーヌ、テーブル兼用)

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